ク•ビレ邸の秘かな愉しみ

北加賀屋クリエイティブ・ビレッジ(大阪市)の情報発信拠点「ク・ビレ邸」で開催されるイベントに関する極秘ニュース。決して他言は許されませんのでご注意あそばせ!

香水がテーマの残酷な童話の朗読と即興演奏

◉邸主の妄言 PREVIEW◉

松本有加(A.Piano & Vocal)と藤井拓(Gut Guitar)のユニット「基本むかしばなし」については以前(2012.05)にも書いたが、懐かしいフレーズとオシャレなパッセージを同時に演奏したり、幾何学的なアルペジオや印象派的なメロディーを混在させることで、新旧・和洋・緩急といった対局のイメージを同一化して聴かせてくれる稀有なユニットである。彼らの「音」はとてもビジュアル的だが、それは決して絵画でもなく、映像でもない。「探偵」や「王子さま」、「鏡」や「馬車」がふと現れてきそうな「紙芝居」あるいは「童話」的なのである。

そんな彼らのオリジナル曲に私自身が創作した童話をコラボレーションさせてみたいと思い、今回のライブ企画に至った。この童話は今から20年前、関西テレビ局からの依頼で書いた作品「ペーパームーン劇場」で、全12話が3ヵ月にわたって放映された。私が率いるパフォーマンス集団「銀幕遊學◉レプリカント」のメンバーが朗読し、テレビ画面には在阪イラストレーターの作品が映され、「テレビ版紙芝居」といったテイストの深夜番組であった。童話の趣向はすべて主人公が破滅するというデカダン的なストーリーで、毎回、モノをテーマに進行する。「なぜ破滅的なストーリーなのか」については、放映当時の世相、つまりバブルの崩壊が叫ばれていた世情と密接に関係しているのだが、これについては、次回にでも記載したいと思う。

朗読は関西小劇場界で活躍する佐野洋子。過日、基本むかしばなしと彼女でリハーサルを行ったのだが、淡々とした朗読の声は中音域よりやや低く、ピアノとギターの音域にうまく淡く溶け込み、音像的には非常に満足している。彼女の演劇に対する趣向は、どちらかと言えば、自作のコントを発表するほど、「笑い」に傾倒しつつあるそうだが、今回の朗読ではときに人を喰ったかのようであったり、ときに感情移入が口の端にのぼったりする、佐野洋子ならではの朗読スタイルが満喫できそうで愉しみである。

さて今回の「ペーパームーン劇場」で発表する童話のテーマは「香水」。「つけるとよくないコトが起こる香水」が次から次へと引き起こす悲劇的な短編を三話、基本むかしばなしのビジュアル的な楽曲と佐野洋子のエキセントリックな朗読という、奇妙で奇抜な組み合わせでお楽しみいただきたい。

(文責・佐藤香聲

◉ ペーパームーン劇場 vol.1「ふしあわせという名の香水」

【日   時】2012年7月4日(水) 開場:19:30 開演:20:00 / 21:30

【料   金】1,500円(1ドリンクつき)

【問い合わせ】06-7492-7504(15:00 – 22:00)

【参照サイト】music–spirit

基本むかしばなし at ク・ビレ邸

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