ク•ビレ邸の秘かな愉しみ

北加賀屋クリエイティブ・ビレッジ(大阪市)の情報発信拠点「ク・ビレ邸」で開催されるイベントに関する極秘ニュース。決して他言は許されませんのでご注意あそばせ!

夏は「怪談牡丹灯籠」日本文学を一人芝居で

◉邸主の妄言 PREVIEW◉

先月は太宰治「きりぎりす」を一人芝居で上演

久保田寛子が自身で選りすぐった「幻想・異端・耽美」的な日本文学を舞台化、しかも一人芝居で上演するマンスリー企画。前月(2012年6月)の作品は太宰治の「きりぎりす」を取り上げた。名声を得ることで破局を迎えた画家夫婦の内面を、妻の告白を通して印象深く描いた作品で、太宰の最も得意とする女性の告白体小説を、ほぼ朗読に近い形式で久保田寛子が演じ切った。売れない時代に芸術を追求していた夫を支えていた妻だが、売れたトタン、あるいは売れるために社交上手になっていく夫を避難し始める。「おわかれ致します。あなたは、嘘ばかりついていました……」。

童話の「ありときりぎりす」を引用しながら、働き上手な「あり」よりも自分の思いに忠実な「きりぎりす」をよしとする妻のイラダチを、久保田寛子は自身の端正かつ気品が垣間みられる存在感で演じた。これまでク・ビレ邸で上演した作品の中でも特に秀逸だった。折しもク・ビレ邸で展示されていた美術作品が、タムラグリアによるシュールレアリスムの絵画で、「きりぎりす」の舞台美術としても大いに効果的だったことは、当夜の観客の感想を待つまでもない。

次は何かと期待せずにはいられなくなると、夏らしく「怪談」とのこと。例の「カランコロン」と下駄の音が印象的な「牡丹灯籠」である。久保田寛子の一人芝居企画は、衣装をすべて着物で統一しているのだが、今回の作品がもしかしたら、もっとも和装が似合う舞台になるかも知れない。夏らしく、昭和チックなク・ビレ邸で団扇をもって、観劇したものだ。

(文責・佐藤香聲

◉久保田寛子 月イチ一人芝居 vol.4「牡丹灯籠」

【日   時】2012年7月20日(金) 開場:19:00あたり 開演:20:00くらい

【料   金】1,000円(1ドリンクつき)

【問い合わせ】06-7492-7504(15:00 – 22:00)

【参照サイト】久保田寛子、雅の道へ

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