ク•ビレ邸の秘かな愉しみ

北加賀屋クリエイティブ・ビレッジ(大阪市)の情報発信拠点「ク・ビレ邸」で開催されるイベントに関する極秘ニュース。決して他言は許されませんのでご注意あそばせ!

年末、北加賀屋の至宝「青山郁彦」の見納め

◉邸主の妄言 PREVIEW◉

青山郁彦と再会したのは2011年の11月だったから、もう1年少し前だった。以降、私が主宰するパフォーマンス集団「銀幕遊學◉レプリカント」への出演(2012年3月)を皮切りに、同氏のお家芸・女形ショーやアート・プロジェクト集団「鞦韆舘」の企画・制作による「水盤舞台」(2012年8月)での一人芝居と、ク・ビレ邸ならびに藝術中心◉カナリヤ条約の両会場において数々の優れた舞台を披露してくれた。特筆に値するのは、同氏による「時代劇ワークショップ」(2012年11月)で、15回前後のワークショップを開き、その成果を舞台作品というカタチで発表してくれたことだった。彼自身、「北加賀屋」での舞台がこれほど回を重ねるとは思っていなかっただろう。

ワークショップ風景

ワークショップ風景

ワークショップ開催に対する私見は以前の投稿記事「時代劇に女形新舞踊!青山郁彦の芸風を堪能」を読んでいただくとして、同氏のワークショップの成果は舞台作品としてかなりの成功を収めたと思う。この作品は「よりみりアート vol.2」(2012年11月)というアート・イベントにおいて「鞦韆流秘聞」というタイトルで上演されたのだが、ストーリーはいたってシンプル。剣術の流儀「鞦韆流(しゅうせんりゅう)」が書かれた秘伝書をめぐるチャンバラ劇なのだが、出演者の意気込みや熱意が客席に伝わってくる、つまりは演劇を楽しみながら作っている、という思いにあふれていたのである。私は残念ながら、所用で本番の舞台を観ることができなかったのだが、ビデオで観ても判るくらい熱い舞台だったので、本番の客席はもっとヒートアップしていたのは容易に推測できる。

終演後の記念写真!

終演後の記念写真!

ワークショップに参加してくれたメンバーの経験や技量はマチマチで、たとえば殺陣をすでに数年経験している者もいれば、今回初めて刀を振る者もいた。青山郁彦は彼らの素養や素質、経験値を即座に察知し、それらをひとつの舞台作品として仕上げることに成功した。さらには的確な演技指導のおかげで出演者の力量の差がうまく中和され、迫力ある舞台となっていた。つまり、演技の醍醐味が凝縮された作品だったと思う。欲を言えば、舞台演出についてさらに繊細なイメージやコンセプトがあればよかったのかも知れないが、これについては青山郁彦自身が「演技指導者」から「演出家」へ転身する可能性を秘めた部分で、今後も見守っていきたいと思う。

とにかく同氏の作品づくりは観客の視線を引きつけるライブ感覚に満ちあふれている。言い換えれば、ひとたび俳優が舞台に立つだけで劇が始まるという緊張感と、観客を1分たりとも飽きさせないというエンターテインメント意識、双方が極めて高いレベルで共存している。こむつかしい演技論やせせこましい演出意図ばかりが目立つわりには、芸術性もさほど高くなく、エンターテインメントからはほど遠い関西小劇場界にあって、青山郁彦自身、至高の舞台人と言えるし、その作品群は一見の価値があると断言できる。何はともあれ、今年最後の青山舞台を「北加賀屋」でご堪能いただきたい。

(文責・佐藤香聲

◉青山郁彦 時代劇バラエティー&女形舞踊ショー vol.5

【日   時】2012年12月23日(日)開場:19:00 開演:20:00

【料   金】1,500円(1ドリンクつき)

【問い合わせ】06-7492-7504(17:00 – 22:00)

【参照サイト】イクブロ

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